インターンシップの志望動機(志望理由)書き方と例文

インターンシップは、民間企業や官公庁での仕事を実体験できる良いチャンスです。必ずしも自分の希望通りの企業や官庁に行けるとは限らないようですが、就職を志望している業種や職種を事前に体験することで、より確かな進路選択が可能になります。
志望動機は、あくまでも研修生としての志望理由を書くものですが、就職活動での応募を前提としている場合がほとんどでしょうから、内容的には大差のないものとなるでしょう。なぜその企業や官庁を選択したのか、どのようなことを心掛けて体験するつもりかを明記しましょう。また、職場の人たちは仕事の時間を割いて指導に当たってくれるわけですから、真面目にしっかりと志望動機を述べることが礼儀と言えます。

インターンシップ・出版社志望の場合

私は書籍編集を志望しておりますので、文学作品や教養図書の分野が特に充実している御社へのインターンシップを申し込んだ次第です。
御社における新刊書籍の企画がどのように立案され、出版にまで至るのか、その過程にもっとも関心があります。実際の現場を拝見することはできないかもしれませんが、お話だけでも伺えたら幸いです。
また、編集作業のIT化がどの程度まで進んでいるかということにも、大いに関心があります。その他、書籍と電子ブックのこと、書籍の校正はどこまで徹底するのかなど、知りたいことは山ほどあります。
インターンシップによって疑問の数々を解消し、御社の出版事業についての理解を大いに深めたいと思いますので、ご面倒をお掛けしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

インターンシップの志望動機(志望理由)書き方と例文

(1)結論ファーストで書き始める

志望動機はまず最初に結論を書くようにすると、読みやすくまとまりのある文章にしやすくなります。たとえば「私は幼いころより〜」「私は高校生のときから〜」などで始まると、読み手はあなたが本当に言いたいことを探しながら読まなくてはならず、核となる部分にたどり着くまでに読んだ内容は忘れやすくなってしまいます。
「私はこのインターンシップで○○を経験し、学びたいと思っています」など、自分がインターンシップで何をしたいのかということを先に伝えてしまいましょう。そうすれば読み手は「この人は○○がしたいのだな」と、目的を把握した上で読み進めることができます。目的を把握して読み進めることで、その後の文章を目的と結び付けやすくなり、結果としてあなたの言いたいことが伝わりやすくなります。
この最初に書く「何がしたいのか」という結論は、後の文章の締めとリンクしている必要がありますので、書き進める内に目的が変わってきた場合や、気持ちに変化があった場合は最初から書き直すようにしましょう。

(2)何に興味を持ったのか

最初に書いた結論の根拠となる部分を書きます。「○○がしたい」と思ったのはなぜかというものです。一般的には、人がしたいと思うことにはその理由があります。自分がしたいと思っていることを遡っていき、そもそも自分は何に興味を持ったことで○○をしたいと思ったのかということを突き止めましょう。
この根拠の部分があやふやだったり、雑になると読み手に「どこでもいいと思っているのかもしれない」「大した熱意はないのではないか」と誤解されてしまう可能性があります。自分の思考や感覚をしっかりと紐解いていくことが大切です。
「以前、部活動で地域の方々と接する機会がありました。そのときに伺った○○の話しが大変新鮮で、その仕組みに驚き興味を持ちました。」など、きっかけと、そのきっかけによって自分の気持ちがどのように反応したのか、ということを完結に書くと伝わりやすくなります。

(3)なぜそこに興味を持ったのか

次に、自分が興味を持ったことについてさらに掘り下げていきます。「なぜ自分がそこまで○○に興味を持ったのかを考えてみると、幼いころから○○することが好きだったということを思い出しました」など、自分の中で「そう言えばこんな記憶がある」「そう言えば、前にも似たようなことに興味を持ったことがある」など、興味を持った理由や自分の性格などにスポットを当ててみましょう。
これもできるだけ簡潔に、大まかなことが伝わる程度で良いです。ここで伝えたいのは「この興味は一時的なものではなく、自分なりの根拠がある」ということです。「自分のこういう性質が興味を持つきっかけとなった」ということを伝えられれば、志望動機だけではなく適正としてのアピールもすることができます。

(4)インターンシップで何をしたいのか

最後は冒頭で書いた「何をしたいのか」という結論を、インターンシップ先に当てはめた上で改めて書きます。「貴社のインターンシップで○○の仕事に触れ、興味から今後の学びへと発展させていただきたく志望いたしました」などで締められると、読み手も最初に読んだ結論と自社が結び付けられるので納得しやすくなります。
インターンシップ先の業務内容などにもよりますが、大切なことは自分の気持ちと先方の業務を結び付けることです。事前にインターンシップ先の業務についてしっかりとリサーチをし、どのような業務をしているのか、どんなことに挑戦できそうな職場なのか、ということを把握しておきましょう。
その部分を絡めて書くことで、先方は「自社のことについてきちんと調べてくれている」と好感を持ちやすくなります。

志望動機の注意点

書くことと話すことを決める

志望動機に、自分の想いを全て入れようとすると長く読みにくい文章になります。志望動機は、後に面接で話す内容の目次のようなつもりで書きましょう。面接では志望動機を元に質問をされることが多いです。志望動機に全てを詰め込んでしまうと、面接でアピールする部分が減ってしまいます。
最初に相手に伝えたいことをリストアップし、文章で書くことと口頭で伝えることを分けておくと書きやすくなります。そうすることで、自然と面接で話すことも準備ができます。

一文は短く

志望動機を書いていると、伝えたいことが多くつい文章が長くなりがちです。しかし、どんなに良いことを書いていても読み手が「理解しにくい」と感じれば読み流されてしまいます。読み手はたくさんの志望動機を読み続けているということを頭に置いておきましょう。
読みやすくするためには、一文を短くするように意識してかくことが大切です。一文の中に「、」が何度も出て来ないような文章にしましょう。「〜で、〜ですので、〜ですが、私は〜」と続くと何が伝えたいのかがぼやけてしまいます。
「〜です。なぜなら〜」「〜です。しかし〜」など接続詞を上手く使って、一文をできるだけ短くするよう心がけましょう。

丁寧に書く

志望動機はパソコンで書くよう指定される場合もありますが、特に指定がないのであれば手書きも有効です。字の上手い下手ではなく、気持ちを込めて丁寧に書かれた志望動機は相手の気持ちに届きやすいとも言われています。
手書きが良いかどうかは企業のカラーにもよります。IT関係などであればパソコンで作成した方がパソコンスキルのチェックとしても参考にしてもらえます。一方、役所や歴史を大切にしている企業などでは手書きも歓迎されやすいでしょう。
いずれにしても、誤字脱字や回りくどい表現がないかなど丁寧に確認をして提出することが重要です。

締め文はしっかりと考える

志望動機の締め文に多いのは「よろしくお願いいたします」です。「よろしく〜」は一般的な文章の締めとして良く使われています。志望動機にも使ってはいけないわけではありません。しかし、締め文は読み手が最後に目を通す部分です。丁寧に言葉を選ぶことで「最後まできちんと考えて書いてくれている」という印象を残すことができます。難しい工夫でなくても「何卒」を付ける、「ご検討のほどよろしく〜」と一言添えてみるなどで良いです。
また、やわらかい印象で終えたいのであれば「よろしくお願い申し上げます」と、平仮名を大目にして、最後を「申し上げます」とするのも良いでしょう。反対に少し硬い印象を出したいのであれば「宜しくご検討のほどお願いいたします」など漢字を多めにしても良いです。
第三者の目で読んでみて、締め文を読んだ後にどんな気持ちが後に残るのかを想像してみると選びやすくなります。