看護師は、患者の命を預かるむずかしい仕事です。崇高な使命感や人命尊重の意識、人への思い遣りや献身的な奉仕の精神などが、ひときわ強く求められる職業です。従って、志望動機の中で、このような倫理面の意識の高さをアピールすることは必須のことと言えます。
しかし、看護師の誰もが現実の医療現場で直面する困難な問題、肉体的に過重な負担を強いられる夜勤労働や、患者の悲惨さを直視しなければならない精神的な負担、そのような現実とどう向き合っていくかという意識が、より多く問われることになります。看護師として就職する以上は、それらの困難を克服していく決意があることを示すべきです。
また、医療現場では医師がすべてを考えて判断し、看護師はその指示によって行動することが原則ですが、突発的な緊急事態に対しては、看護師にも独自の判断で迅速に対処することが求められます。予想していない状況変化で的確な判断をすることは、経験を積まなければむずかしいでしょうが、考えるよりもまず行動するという機敏な行動力は、看護師にふさわしい適性として歓迎されます。
総合病院の看護師志望の場合
私は、中学生のときに初めて祖母が入院したとき、祖母のことをまるで自分の母親のように献身的に看護してくれる看護師さんの姿を見て、とても驚かされました。その後、祖母は退院して長く自宅療養していましたが、母も働いていることもあり、夕方から夜半までの祖母の世話は私の仕事でした。そんな毎日が続く中で、私は病院で見た看護師さんのことを思い、自分も患者さんの支えになれる看護師になりたいと思って、看護学科への進学を決めました。看護師の仕事が大変なことはよく聞いていますが、体力面でもやる気の面でも、必ずがんばれる自信があります。赤ちゃんから高齢者の方まで、大勢の患者さんが入院しているこの病院で、少しでも多くの患者さんのお役に立ちたいと願っています。
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