製造業の社員にとって求められる必須条件は、物造り(製造)への関心やこだわりと、物(製品)への愛着や誇りです。転職の場合は、経理、法務、システム開発、広報など特殊分野の知識やスキルが直ちに求められ場合が一般的ですから、製造・製品に対する関心や知識が皆無であったとしても歓迎されるかもしれません。しかし、少なくとも新卒採用の場合は、在学中の成績がたとえどれほど優秀であったとしても、応募する企業への関心度や理解度が軽視されることはありません。
したがって、志望理由には、志望に至る必然性を誰もが納得できる学業実績と、得意とするあるいは関心の高い科目・分野などを紹介するとともに、志望企業の業績や製品のどこに魅力を感じるのかということを、自分の将来的な希望と絡めて具体的に記述しておくことが必要です。
製造業・技術系志望例文
私は、一年次の一般教養科目の中で高分子化学の存在を初めて知り、以来、大いに関心を持つようになって、高分子化学系の講座に熱心に取り組み、また日頃より関連分野の研究書や解説書を自ら選んで親しんでまいりました。高分子化学の研究領域の中で私がとりわけ関心を持つようになったのは、「誘電性高分子」と「プロテインエンジニアリング」の領域です。これらの領域における今後10年、20年の間の研究成果が、社会や産業にどれほど大きな影響を及ぼすのか、とても楽しみに思っております。
御社におかれて、先年、新たにプロテインエンジニアリング研究室を開設されたことを知り、僭越ではありますが、その活動に大いに期待いたしてまいりました。また、今後も新たな先進分野に研究開発の領域を広げていかれることと期待しております。御社の高分子化学の可能性を切り拓く優れた研究において、私も研究員の末席に加えていただくことができれば幸いと思い、このたび応募させていただきました。