警察官の志望動機(志望理由)の書き方と例文


警察官の志望理由としては、市民の安全を守り、市民が安心して暮らせる地域社会をつくること、社会正義の実現に努め、社会の不正を撲滅すること、公僕として社会に貢献すること、などの崇高な理想が求められます。これらの理想を空虚な建て前論として口にしたり文字に著したりするのではなく、謙虚に真面目にその理想を追求する姿勢が大切です。世の中の現実を認めることも社会人としては必要なことですが、警察官という職種は、社会の秩序を守るために存在する重要な職種ですから、不正や矛盾と安易に妥協するような態度や考え方は、けっして認められるものではありません。
警察官採用試験は、複数県の警察本部が合同で実施する場合もあります。しかし、採用は基本的には都道府県単位で行われます。東京都の警視庁や、大阪府警など大都市圏の警察本部の場合には、遠隔地からも多数の応募者がありますが、それ以外の地方では一般的に応募者の大半が県内出身者によって占められます。警察官という職種は、本来、地域性の強い職種です。したがって、出身地や現住地以外の都道府県で警察官採用試験を受ける場合は、なぜその地の警察官を志望するのかという理由を必ず尋ねられるはずです。その問いに対する明確な答えを準備しておき、できれば志望動機の中に明記しておきましょう。

警視庁警察官の志望動機例文

私は大学に進学すると同時に家族も東京に引っ越して一緒に暮らしてきましたが、□□県○○市の出身で、高校を卒業するまでは郷里で暮らしていました。当地にも暴走族が多数活動しており、週末の夜になると国道や街のメインストリートを我がもの顔で疾走していました。また、暴力団が商店街の人々に金銭を要求しているという話もよく耳にしました。中高生の私は、そういう暴力や不正を見たり聞いたりするたびに、大変憤りを覚えたものです。東京で生活するようになってからも、この大都会も郷里と同じだと感じました。大多数の人たちは日々真面目に生活を送っていますが、ごく一部の人たちが不正や暴力に関わっています。ただ、人口が多いだけ、その人数や被害は無視できない規模だと思います。私は、真面目で厳格な父母のおかげで、人一倍正義感が強くなったのかもしれません。第二の故郷にしたいと思っているこの東京の街から、少しでも不正や暴力を取り除き、家族も安心して暮らせる街にしたいと願っています。そのために警察官として社会のために働くことができれば、この上ない幸せと思います。

女性警察官の志望動機例文

今年、□□県で発生したストーカー殺人事件には、被害者と同じ女性として強い憤りを覚えます。また、北関東で発生した女児連続拉致殺害事件や、主に年配者を対象とした振り込め詐欺など、弱者を狙った犯罪が横行していることに、私は、憤りだけでなく危機感さえ感じます。私たちが安心して暮らせる住みよい国・日本を、何とかして守りたい。そういう気持ちで警察官を志望しました。従いまして、交通課や生活安全課よりは、犯罪捜査を担当する部署への配属を希望します。

警察官の志望動機例文
他県の警察官志望の場合

□□県には、○○市のように小江戸と呼ばれて古くから発展した町や、梅の名産地として知られる○○市のように、伝統の文化と秩序が今もしっかり根付いている地域がある反面、東京への通勤圏として宅地開発が進み、都市化の波が現在も押し寄せている地域があります。そのような人口急増地域を周辺に抱える多くの都市では、特に少年犯罪と非行が大きな問題となっているようです。私は、新しい社会の秩序と安全な生活を築こうとしている地域に赴任し、誰もが安心して暮らせる新しい街づくりに参加したいと思い、□□県警の警察官を志望しました。

警察官の志望動機例文
交通機動隊志望の場合

 中学生のとき、父の運転する車の横を2台の白バイが猛スピードで追い越していきました。間近に聞いたサイレンの音と、あっという間に遠ざかっていった隊員の勇姿が今も心に焼き付いています。それ以来、街中の交差点で信号待ちをしている白バイを見ても、その姿を頼もしく思い、車が行き交う道路の安全を守ってくれていることに敬意を感じるようになりました。
 交通機動隊や所轄警察署の交通課の白バイは、交通安全にとって必要不可欠な存在だと思います。私の身内にも交通事故でなくなった叔父が一人いますが、自己責任による事故ではなく、対向車の車線オーバーが原因でした。交通事故は安全運転をしているドライバーにも歩道を歩いている歩行者にさえも突然襲ってくる災難ですから、その原因となる危険な違反行為を路上でつねに監視している白バイの存在は、不幸な交通事故を減らすために欠かせないものだと思います。
 私は、叔父とその家族のような交通事故の被害者を少しでも減らすために、交通安全対策の最前線に立って働きたいと思い、警察官採用試験への応募を決心しました。

警察官の志望動機例文
鑑識技術職志望の場合

 私は、中学生のころから生物学に関心を持ち、大学に進学してからは分子生物学を専攻しました。将来は医療現場に貢献できる臨床検査技師になることを考えていましたが、法医学の専門家でもあった先生から法医の鑑識技術が今後ますます発展する分野でありながら人材が不足していることを伺い、これまでに学んだことを早く社会で役立てたいと思って鑑識技術職を志望しました。
 私が法医の鑑識技術でもっとも関心を持っているのは、DNA型鑑定です。DNA型鑑定は技術の進歩によって刑事事件の捜査ですでに高い信頼性を得ていると思います。しかし、陽性対照と陰性対照の鑑定にまで発展させることが求められているようですので、今後はその鑑定方法の開発研究が重要になってくるのではないでしょうか。私は従来の鑑定作業に習熟するだけでなく、より合理的で信頼性の高い技術の開発にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。
 法医の鑑定業務は、被害者やその遺族のために犯罪事実の立証につながる真実を発見することだと思います。被害者・遺族への思い遣りの心を忘れず、つねに真摯な姿勢で鑑定業務に当たってまいります。

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