転職時の志望動機の書き方
志望動機としてNGな転職理由
これまで働いていた企業を辞めて、なぜ転職をしようと思ったかをもう一度考えてみましょう。採用担当者にとっては「なぜ辞めてまで転職をすることにしたのだろう」というのは最も気になるところです。
これまで働いていた企業を辞めた理由はポジティブなものばかりではないかもしれません。人間関係が上手く行かなかった、待遇が良くなかったなどを理由に退職した人も多いでしょう。しかし転職の際に「これまで勤務していた企業の良くない点を理由とする」というのはNGです。それは「採用しても、自社でも同じことになるかもしれない」と採用担当者が敬遠してしまうからです。
実際の理由がネガティブなものであったとしても「この転職をきっかけに、自分が本当にやりたい仕事に就きたい」「自分の力を試したい」と発想を転換するところから始めましょう。その発想が出てくれば、そこから逆算して「なぜ今この企業に入りたいのか」という動機がわかるようになります。
その企業に合った志望動機
志望動機は企業に合わせて考えるようにします。自分がその企業を選んだ理由はひとつではないでしょう。しかし、その中からその企業に最も近いものを核として選ぶことから始めます。「これまで培った営業力を試したい」「人と話すことが得意なのでエンドユーザーと関わる仕事がしたい」など自分の中にある「したいこと」をひとつづつ見つめなおします。
また、これまでとは畑違いの仕事にチャレンジしたいという気持ちがある場合は、今自分が持っている資質やスキルがその業務に役立てられないかを考えてみましょう。たとえば、これまで営業職だったけど、この企業の商品開発に挑戦してみたいと思ったのであれば「これまで営業でたくさんのお客様と接してきた経験を活かして、お客様に喜んでもらえる商品の開発に携わりたいと考えています」などでも良いでしょう。
入社後に自分ができることのアピール
中途採用は新卒と違って即戦力となることを期待されていることが多いようです。そのため「今入社してすぐに自分にできること」を考えてみましょう。電話対応や来客対応、文書作成や雑務など社会経験がすぐにできることはたくさんあります。自分にできることをしながら、日々仕事を積極的に覚えていきたいということを伝えると熱意も感じてもらえるでしょう。
柔軟性、協調性をアピール
中途採用の人が転職先で上手くコミュニケーションを取りながら業務を進めていくには「柔軟性」と「協調性」が欠かせません。現に採用担当者側もその点は注意深く観察しようとしています。
転職先では、これまでの会社ではできたことができない仕組みになっていたり、これまで省いていた工程が省けなくなっていたり、と何かと勝手が違うものです。また、企業の形態や自分の年齢などによっては年下の社員から指導をされることもあります。この点については面接でも確認されることが多いようです。
志望動機での柔軟性や協調性は「貴社では若い社員の方がイニシアチブを取っておられると聞きました。ぜひ私にはない知識や感覚を備えていただきたいと思っております」「これまでのやり方だけではなく、もっと効率の良いやり方や、丁寧な技術を身につけたいと考えております」なども伝わりやすいでしょう。
これまでの経験をアピール
前職で培ってきた経験やスキルもアピールしましょう。中途採用の魅力のひとつは他社で身につけたスキルや経験です。自分ができることは、胸を張って「できます」と書いて良いです。ただし、できないことや自身がないことについては、正直にそう伝えましょう。できることとできないことがあるのは当然のことです。
また、社内でのコミュニケーションの取り方や周囲の人との連携も大切なスキルです。前の会社ではその点をどのような意識で過ごしていたのか、という部分も採用担当者が興味を持ちやすいポイントです。具体的なエピソードを添えて簡潔に書くと、イメージがしやすく貴重な経験として見てもらいやすくなります。
入社後のプランを伝える
多くの企業が困っているのは離職率の高さです。コストと時間をかけて採用しても、すぐに辞められてしまい、元が取れないという状況に陥っている企業は多いと言われています。特に中途採用で入社した場合は、一度退職を経験していることから「すぐに辞めてしまうのではないか」と思われていることも多いようです。
「辞めません」「長く続けたい」という言葉を使わなくても「きっと長く働いてくれるだろう」と思ってもらえる方法はあります。それは入社後にしたいことを具体的に伝えることです。「入社したらまずは〇〇をして、いつか〇〇の業務に就きたいと考えています」など、先のことまで伝えることで「長い目で見てくれている」と思ってもらいやすくなります。
その企業に入社して、自分が何をしたいのかということを具体的に考えておくことが大切です。