大手・準大手ゼネコンの志望動機の例文

　 私が建設業への関心をもったのは、もう15年ほど前、小学生のときの出来事がきっかけです。当時、私と家族は祖父の家に同居していましたが、古くなった家の改築工事をしているとき、大工の棟梁らしい人が若い人を叱り付けている現場を目撃しました。そのときに聞いた「真剣にやれ」、「手を抜くな」という迫力ある言葉がずっと心に焼き付いて、今も忘れられません。私が建設業への就職を志望したのは、建設業が真剣に、真面目に取り組まなければならない社会的に重要な仕事であるという基本認識を持っているからです。そのことを教えてくれたのは、あの大工の棟梁でした。
　 このたびの就職活動に当たっては、まず、大手・準大手の建設会社のホームページを丹念に閲覧しました。どこも皆、優れた技術と素晴らしい実績を持っていることに感心させられましたが、その中で私の心にもっとも強く響いたのが、貴社の「子供たちに語り伝える仕事」という言葉です。何よりも自分の仕事に誇りを持ち、ライフワークとして真剣に取り組める仕事に就きたいと願っている私にとって、貴社は理想の企業だと直感しました。
　 私の専攻は土木工学です。ダム、トンネルのような大規模建造物から高層ビルの基礎構造に至るまで、地震や風水害にビクともしない頑丈な構築物を設計・施工する仕事を希望しています。設計業務だけでなく、国内外で現場の仕事もたくさん経験したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

　 私の専攻は、都市計画です。大学のゼミで卒論のテーマとして勧められたことがきっかけで、実際にある地方都市をモデルとした仮想的な都市計画の立案に初めて取り組みました。グループでその都市が実際に抱えている複雑な諸条件と回復不可能とも思える矛盾点を調査・検討しながら、実現可能な範囲での基本プランを構築していく作業に熱中しました。
　 しかし、国内の再開発事業は確かに歯ごたえのある面白い仕事だと思いましたが、経済発展が著しいアフリカ諸国などで、真っ白なキャンバスに絵を描くように、何もない広大な土地に周辺の自然環境と融合した新しい街を建設することができたら、どんなに素晴らしいだろうと想像しました。以来、そのような新都市建設の仕事に従事することが私の将来の目標となりました。
　 このたび、貴社への入社を志望しましたのは、その目標の達成に近づく第一歩となることを期待したからです。貴社におかれては、東南アジアでの大都市圏の郊外型ニュータウン建設、中東・オセアニアでのリゾートタウン開発と住宅地開発など、すでに数多くの海外実績をお持ちです。また、現地の状況を無視したお仕着せの開発プランではなく、現地調査を徹底し、政府機関・現地企業などとも協議の上でプランを練り込み、プロジェクトを確実に成功させていることに感服いたしました。
　 ご採用いただけた暁には、社員としての誇りを持って、貴社ご発展のため何事にも精励努力を惜しまない覚悟です。何卒よろしくご検討のほどお願い申し上げます。